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2026年10月28日水曜日

動画編集で音がズレる原因「可変フレームレート(VFR)」の確かめ方と直し方

[説明]編集ソフトに入れた動画の音がズレるとき、原因の一つ「可変フレームレート」の意味と、確かめ方、固定フレームレートに直す方法を説明します。[/説明]

撮影した動画や、画面を録画した動画を、編集ソフトに入れたら、だんだん音がずれてくる。映像が出ない。そんなときの原因の一つが、「可変フレームレート(VFR)」です。ふつうに再生するぶんには気づきにくいので、編集を始めてから困る人が多い問題です。この記事では、VFRとは何か、なぜ困るのか、どう確かめて、どう直すのかを説明します。

フレームレートとは

動画は、たくさんの静止画(コマ)を、続けて見せることで、動いているように見えます。1秒間に何コマ見せるかが「フレームレート」で、単位は fps(フレーム・パー・セカンド)です。たとえば 30fps なら、1秒に30コマです。

HandBrake(無料の動画変換ソフト)の公式の資料では、映画は 23.976fps か 24fps、ヨーロッパの放送は 25fps か 50fps、北米の放送は 29.97fps、59.94fps、30fps、60fps などが一般的、とされています。

固定(CFR)と可変(VFR)のちがい

固定フレームレート(CFR)は、コマが、いつも同じ間隔で並んでいる動画です。可変フレームレート(VFR)は、場面によって、コマの間隔が変わる動画です。

固定(CFR):コマの間隔がいつも同じ可変(VFR):コマの間隔がばらばら時間 →

縦線が1コマです。間隔がそろっていれば固定、ばらばらなら可変です。

VFRになるのは、機器やアプリが、そのときの状況に合わせて、コマの数を変えて記録することがあるためです。たとえば、画面の録画では、画面があまり変わらないときは、コマを少なくして記録するものがあります。

Streaming Media という専門サイトの解説記事では、iPhone や iPad で撮った動画、Camtasia という画面録画ソフトで録画した動画などが、VFRになる例として挙げられています。スマホの画面録画のほか、ゲームの録画や、一部の編集ソフトの書き出しも、VFRになることがあります。

なぜ、音ズレや読み込み失敗が起きるのか

編集ソフトは、タイムライン(編集のための時間の流れ)の上で、映像のコマを、決まった間隔で並べて扱うのがふつうです。ところが、VFRの動画は、コマの間隔がばらばらです。そのため、ソフトがコマの位置を計算するときに、実際の時間とのずれが生まれることがあります。音声は、実際の時間どおりに記録されているので、時間がたつほど、映像と音声のずれが大きくなって見えます。

症状は、ソフトによってちがいます。後半になるほど音がずれる、映像が出ない(オフラインと表示される)、読み込むときに「可変フレームレートです」と警告が出る、などです。

Streaming Media の記事では、VLC Player や QuickTime では問題なく再生できる動画が、Adobe Premiere Pro に入れると、音と映像がずれた、と書かれています。ふつうに再生できることと、編集に向いていることは、別の話です。

自分の動画がVFRか確かめる

動画ファイルの中には、「各コマを、何秒のあいだ表示するか」を書いた表が入っています。この表を読めば、コマの間隔がそろっているかどうかが分かります。

このブログの「動画VFRチェッカー」は、この表をブラウザの中で読み取って、「固定」「ほぼ固定」「可変」を判定します。動画は、パソコンの外には送られません。MP4・MOV・M4Vに対応しています。

次のような動画は、編集の前に、確かめておくと安心です。

  • スマホの画面録画
  • ゲームの録画や、配信の録画
  • iPhone や iPad で撮った動画
  • 編集ソフトに入れたら、音がだんだんずれてしまう動画

固定(CFR)に直す方法

直し方は、動画を、決まったフレームレートで作り直す(エンコードし直す)ことです。作り直すので、時間がかかります。また、画質がわずかに変わることがあるので、元のファイルは残しておきましょう。

HandBrake(無料ソフト)を使う

  1. HandBrake で、直したい動画を開きます。
  2. 「ビデオ」タブの「フレームレート(FPS)」を、元の動画に合わせた値にします。分からないときは「Same as Source」を選びます。
  3. そのすぐ下で、「Constant Framerate(固定フレームレート)」を選びます。ここが、いちばん大切です。
  4. 「エンコード開始」を押します。できあがったファイルを、編集ソフトに入れます。

HandBrake の公式の資料では、固定フレームレートは、特別な場合をのぞいて、おすすめしないとされています。そのいっぽうで、編集ソフトに取り込むための書き出しは、固定をおすすめする場面として挙げられています。Streaming Media の記事では、この方法で、音ズレがほとんどの場合に直ると書かれています。

ffmpeg を使う(コマンドに慣れている人向け)

ffmpeg の公式の資料では、出力のほうに「-r」を付けると、エンコードの直前に、コマを足したり捨てたりして、一定のフレームレートにそろえる、と説明されています。たとえば、30fps に直すときは、次のようにします。

ffmpeg -i "元の動画.mp4" -fps_mode cfr -r 30 -c:v libx264 -crf 18 -preset medium -c:a aac -b:a 192k "直した動画.mp4"

「-fps_mode cfr」が、固定にそろえる指定です。古い ffmpeg では、かわりに「-vsync cfr」を使います。「-r 30」は、元の動画に合わせて変えてください。「-crf 18」は、画質の変化が目立ちにくい設定の例です(数字が小さいほど高画質で、ファイルは大きくなります)。

試した結果:見本として、1/30秒の間隔と、1/10秒の間隔が混ざった、10秒の動画を作り、上のコマンド(ffmpeg 6.1、-r は 30)で変換しました。変換前は、2種類の間隔が混ざっていましたが、変換後は、すべてのコマの間隔が、1/30秒にそろいました。

直したあとの確認

直した動画を、もう一度「動画VFRチェッカー」に入れてみましょう。「固定」か「ほぼ固定」と出れば、編集ソフトに入れて大丈夫です。

最初から固定で録るには

録画アプリや、カメラアプリの設定に、フレームレートを固定にする項目があれば、それを選びます。ない場合も多いので、編集の前に、チェッカーで確かめる習慣をつけると安心です。

よくある質問

Q. どのフレームレートに直せばいいですか。

A. 元の動画で、いちばん多かった速さに合わせます。「動画VFRチェッカー」には、その値が出ます。たとえば 29.97fps や 60fps のように、元の動画に近い値にします。むやみに大きな値にしても、画質はよくなりません。

Q. 固定に直すと、画質は落ちますか。

A. 動画を作り直すので、わずかに変わることがあります。設定をていねいに選べば、見た目の差は、ほとんど分からない場合が多いです。元のファイルは、残しておいてください。

Q. VFRのままでは、使えませんか。

A. 再生するだけなら、ふつうは問題ありません。編集ソフトによっては、そのまま使えることもあります。ただ、音ズレや読み込み失敗の原因になりやすいので、編集の前に、固定に直すのがおすすめです。

Q. 直したのに、音がずれます。

A. 録画のときにコマが落ちていた、パソコンの動きが重かった、編集ソフトの書き出しの設定が合っていない、など、ほかの原因も考えられます。短いところで試して、どこからずれるのかを調べてみてください。

出典

この記事は、2026年10月28日に、次の資料を確認して書きました。

最終更新:2026年10月28日

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